2026.08.04Archicad

今週のDynamoトレンド:Revit連携の実務セミナーから見える、社内展開のリアル

ArchicadAutodeskBIMDynamoRevit建築DX週間まとめ

先週、社内の設計部からこんな相談を受けました。「Revitモデルから建具リストをExcelに書き出したいんだけど、標準機能だと欲しい情報が抜ける。Dynamoで何とかならない?」。この手の相談、月に2〜3件は来ます。図面と数量表の整合が合わない、発注者提出用のフォーマットにRevitのスケジュール機能が対応しきれない、そんな地味だけど厄介な話。今週のDynamo関連ニュースを眺めていたら、まさにその領域を扱うセミナー告知が目に止まったので、そこを中心に整理しておきます。

今週のDynamo関連トピック

Revit×Dynamoで設計図書の情報を書き出す実務セミナー

アーキテクト・エージェンシーが「Revitの方程式・上級編vol.3」のアーカイブ配信を告知しました(<9/2_12時開催>【アーカイブ録画配信】【Revitの方程式・上級編vol.3】ぜひ知っておきたいDynamo活用術! BIMモデルから設計図書のための情報を書き出す方法)。テーマがまさに「BIMモデルから設計図書のための情報を書き出す」で、ゼネコンで日々発生している課題そのものです。

タイトルだけ見て思うのは、Dynamoが依然として「Revit標準機能の隙間を埋める道具」として現役だということ。Revit 2025以降でスケジュール機能や図面連動はかなり強化されましたが、発注者ごとに違うExcelフォーマットへの書き出しや、部屋建具の集計ロジックのカスタマイズは、結局スクリプトを組んだほうが早い場面が残ります。

Dynamoの名前がつく“別物”の多さ)

今週のニュースを拾ってみると、AWSのDynamoDB Streams + EventBridge Pipes で実現するマルチテナントのログ後処理、サッカーのErzgebirge Aue vs BFC Dynamoヒューストン・ダイナモ、XR分野のダイナモアミューズメントと、まったく別ジャンルの「Dynamo」がずらり。BIM文脈でのDynamoの情報密度が相対的に薄い週だった、というのが正直な印象です。

裏を返せば、Dynamoは新機能で騒がれるフェーズを過ぎて、地味に使い倒される道具になったということでもあります。話題にならないから使われていない、ではなく、話題にならないくらい定着した。うちの社内でも、Dynamoスクリプトを共有フォルダに積み上げる運動は続いています。

ゼネコンBIM担当としての独自考察

設計図書への情報書き出しは、ゼネコンにおいては設計部だけの話では終わりません。積算部が拾う数量、施工計画で使う仮設材の集計、発注者提出用の面積表、そのすべてがRevitモデルから引き出されるべき情報です。ところが実務では、モデルの入力粒度と書き出したい情報の粒度がズレる。壁タイプは仕上げまで分けて入っているのに、集計は構造体だけで欲しい、みたいな話が延々と続きます。

ここでDynamoが効くのは、フィルタ条件を業務ごとに使い分けられる点だと感じてます。標準スケジュールだと1つのビューに1条件しか組めないところを、スクリプトなら「発注者A様向け」「積算連携用」「協力会社への支給材リスト用」と用途別に量産できる。うちで試作したスクリプトも、最初は建具リスト用だったのが、気づけば内装仕上げ表・仮設ゲート集計・数量突合チェックまで派生しました。

ただ、社内標準化のハードルは正直に言うと高いです。理由はシンプルで、書ける人が偏る。Dynamoグラフはコードよりは読みやすいものの、100ノードを超えると誰も触れなくなる。属人化を避けるには次あたりが現実的な線かなと思ってます。

それと、Revit標準機能で済むならDynamoを使わない、という判断も大事だと思ってます。近年のRevitは表計算連携やダイナモ相当の処理を内製化してきていて、「昔Dynamoで組んだやつ、いまは標準でできる」というケースが増えました。スクリプト資産を抱え込みすぎるとバージョンアップ時の負債になる。定期的な断捨離込みで運用する前提でないと、社内標準としては維持できないと感じます。

総括

今週のDynamo関連は、派手なニュースこそ無かったものの、9月配信予定のセミナー告知が「設計図書への書き出し」という実務ど真ん中を扱っていて、需要が枯れていないことを再認識しました。うちのチームでも、来月あたり若手向けにDynamo勉強会を組み直そうかと考え中。標準機能でできることが増えた今こそ、Dynamoの守備範囲を再定義する良いタイミングかもしれません。まずは社内スクリプト棚卸しから、着手します。

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