2026.08.04Archicad

Mac版復活、Google Antigravityで足場自動作図──2026年夏のAutoCAD周辺で気になった動き

ArchicadAutoCADAutodeskBIMRevit建築DX週間まとめ

先週、協力会社から「まだDWGでもらえますか」と電話がきた。BIM推進を掲げて2年、Revitモデルから2D図面を切り出す運用にも慣れてきたけれど、現場での図面のやり取りはやっぱりDWGが主役だ。今週AutoCAD関連のニュースを追っていたら、その現実を後押しするような動きがいくつか出ていたのでまとめておきたい。

今週のAutoCAD周辺で気になった3本

Mac版AutoCADの復活と、端末選択の自由度

Mac版「AutoCAD」が復活 iPhone・iPadアプリも提供(画像)という記事。iPhone/iPadアプリも同時に出るらしい。設計部門はWindows固定なのでMac移行という話ではないけれど、現場監督が持ち歩いているiPadで、SharePoint経由のDWGを開いて赤入れできる意味は地味に大きい。関連してParallels Desktop Pro – Mac ユーザのための高度な仮想化のように、Mac上でWindowsのAutoCADを動かす選択肢も並行して残る。発注者側の設計事務所がMac中心のところもあるので、DWGのやり取りの摩擦が減るのはありがたい話。

コードを書かずに.NETアドインを作る話

一番刺さったのが【2026年版】AutoCADの足場自動作図を「1文字も書かずに」開発した話|Google Antigravity × .NET API。CADオペの方がGoogle AntigravityというAIツールを使って、足場の自動作図プログラムを完成させた記録だ。プログラマーではないと本人が書いているのが重要で、これまでLispで止まっていた層が.NET APIに手を出せる線が現実的になってきた。似た文脈で「#AUTOHOTKEY」の人気タグ記事一覧|noteではAutoCADのコマンド途中で電卓を呼び出すAutoHotkeyツールが紹介されていて、こういう小さな自動化の積み上げが結局現場で効いてくる。

教育・人材面の動き

Autodesk、教育者と学生にAutoCADやMayaなどのアプリを無償提供、MediumでもMaster the Layer Walker Command in AutoCADのような実務Tips記事が続いている。新卒がAutoCADを触った状態で入ってくる前提は当面変わらないと感じてる。市場調査でもアーキテクチャ設計ソフトウェア市場規模と将来の成長 2032 年が2D設計ソフトを一区分として残しているとおり、BIM時代でもDWGはしばらく併存する。

ゼネコンBIM担当としての独自考察

正直、社内の一貫BIMを推進する立場からするとAutoCADの話題は「乗り越える対象」に見えがちなのだけれど、今週の動きを見て少し考えを改めた。

特にGoogle Antigravityで.NETアドインを組んだ事例は、うちの標準化ワークフローに直接効きそうだと感じている。今、Revitのファミリ整備と並行して、協力会社から返ってくるDWG図面のレイヤ整理や表題欄差し替えを人手でやっている。専任スタッフが1人張り付いていて、月にざっと80時間くらい消えている工数だ。ここをAI支援でアドイン化できれば、Revit側に工数を戻せる。まだ試せていないけれど、CADオペの方が非プログラマーで完成させたという事実は、社内で稟議を通す材料としても強い。

一方で現実的なハードルもある。

社内標準化としては、Revit中心の一貫BIMを本線としつつ、AutoCAD周辺の自動化を「BIMに繋ぐための前処理・後処理」として位置づけ直したい。全部Revitで巻き取ろうとして頓挫するより、DWGはDWGで軽く自動化して受け流すほうが、現場の納まり調整や積算との数量突合の現実に合っている気がする。

まとめ

Mac版復活もAI支援の.NETアドイン開発も、単体では派手なニュースじゃない。ただ、DWGという古い形式を「捨てる対象」ではなく「安く回す対象」に変える材料が揃ってきた、というのが今週の実感だ。来週の定例で、足場アドインの検証案件として1本立ててみようと思ってる。うちの現場だと、まず仮設計画あたりから試すのが筋が良さそう。

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