2026.08.06Archicad

今週のRevitトレンド:Dynamoによる図書出力とルーフJoinツール、そして市場拡大の兆し

ArchicadAutodeskBIMRevit建築DX週間まとめ

先週、協力会社から受け取ったRevitモデルの数量を積算部門とすり合わせていたら、ファミリのパラメータ命名が現場ごとにバラバラで半日潰れた。社内標準テンプレートを整備しているつもりでも、実務ではまだこの程度の齟齬が起きる。そんな状況で今週のRevit関連ニュースを眺めていて、いくつか手を動かしたくなる話題があったのでまとめておきます。

DynamoでBIMから設計図書用の情報を書き出す

アーキテクト・エージェンシーが9/2にアーカイブ配信する【Revitの方程式・上級編vol.3】Dynamo活用術! BIMモデルから設計図書のための情報を書き出す方法が案内されていました。テーマは、モデル内のパラメータ情報を設計図書用に抽出する手順。

うちの部署でも、面積表・建具表・仕上表をRevitから自動生成する試みは何度かやっています。集計表機能だけでは表現が足りず、結局Excelに書き出して手で整える運用になりがち。Dynamoで書き出しロジックを組めば、書式込みで発注者提出フォーマットに落とせる可能性はあります。ただ、Dynamoスクリプトを書ける担当者が社内に数人しかいないのが正直なところで、属人化との戦いは続きそう。

ルーフのJoin/Unjoinツールを使いこなす

Nemi Designing CenterのStop Stretching Roofs in Revit! Master the Join/Unjoin Roof Toolは、屋根の端部処理をストレッチで無理やり合わせるのではなく、Join Roofコマンドで別々に作ったルーフを綺麗に接合する話。地味だけど、複雑な寄棟や下屋との取り合いで泣かされた人には効きます。

意匠から受け取ったモデルの屋根が変な稜線で切れていて、構造モデルと重ねたら谷部が浮いていた、という指摘を過去に協力会社からもらったことがある。Join Roofを使えばこの手のずれは減らせるはずで、モデリングルールに追記する価値はある操作です。

建築設計ソフト市場、BIMがけん引

WiseGuyReportsのアーキテクチャ設計ソフトウェア市場規模と将来の成長 2032年では、2Dソフトから3Dモデリング・BIMへの移行が続いているという整理。数字そのものは調査会社レポートなので割り引いて読むとして、クラウドベース展開が伸びている点は現場感覚と一致します。

Revitモデルを協力会社と共有するとき、BIM 360やACC経由のクラウド運用に切り替えてから、ファイル送付ミスがほぼゼロになりました。反面、社外パートナーのライセンス費と社内権限管理は毎回悩みどころ。

変更指示は契約の問題ではなく理解の問題

Kirsten ShawのChange orders aren’t a contracts problem. They’re a comprehension problem.は、施主が図面や仕様を正しく理解しないまま契約に進むから変更指示が膨れ上がる、という話。キッチンリフォームを例にしているが、ゼネコンの現場でも本質は同じだと感じました。BIMで3D確認してもらえば減るはずのブレが、いまだに紙図面の打合せで発生している。

ゼネコンBIM担当としての独自考察

今週のトピックで一番刺さったのは、やはりDynamoでの図書出力です。うちの社内標準では、Revitの共有パラメータ命名規則をExcelで配布しているのですが、実際にモデルを開くと守られていないケースが3割はある。Dynamoで「命名規則に沿っていないパラメータを検出して一覧化する」ような監査スクリプトを組めば、標準化の実効性が上がるはず。図書出力そのものより、モデル品質チェックへの応用のほうが自社に効くと思ってます。

Join Roofの話は、社内向けモデリング作法集にそのまま追記できる粒度。こういう小ネタを溜めて、月イチで協力会社を含めた勉強会で回すのが、遠回りに見えて一番効く導入だと感じてます。逆にクラウド市場の伸びは、社外環境の話なので、うちの情シスとの調整が最大の壁。ライセンス管理と社外接続ポリシーを緩めない限り、いくら世の中がクラウドBIMに寄っても社内展開は数年遅れになりかねない。

変更指示の話は耳が痛くて、発注者にBIMビューワーで確認してもらう仕組みを試験導入したものの、結局「紙で見たい」と言われて元に戻った現場が最近もありました。ツールの問題ではなく、渡す側の説明力の問題だと思ってます。

まとめ

今週は派手な新機能ニュースはなかったけれど、Dynamoでの図書出力、Join Roofの基本操作、変更指示の理解ギャップと、地味に効く話が並んでいた印象。9/2のアーカイブ配信は申し込んでおいて、社内標準テンプレのパラメータ監査スクリプトを一本書くところから来週始めるつもり。派手さより、こういう積み重ねが一貫BIMを近づけるはず。

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