7月26日、令和8年度の学科試験が終わった。その日の夜、総合資格の即日採点サービスが19時15分から動き出したというリリースを見て、受験した後輩の顔が浮かんだ。うちの設計部の後輩も今年受けていて、翌朝会ったら「計画で1問マークミスした気がする」と青い顔をしていた。試験の話題と並行して、今週は建築士法改正のニュースや、俳優の田中道子さんの合格報道も流れてきた。ゼネコンでBIMを担当している立場から、今週の動きを整理しておく。
建築士法改正——受験要件の緩和と契約書面の義務化
今週いちばん実務に効いてくるのは、この改正の話だと思ってる。建築士法改正、受験の要件緩和 面積によらず契約の書面締結が義務にという記事によると、受験要件が緩和され、さらに面積によらず設計・工事監理契約の書面締結が義務化されるという内容だった。
受験要件の緩和は、実務経験の積み方に自由度が出るということ。ゼネコンだと施工管理に配属された若手が建築士を目指すルートが一般的だけど、BIM推進や積算といった横断部門にいる人間も受験しやすくなるなら、社内で資格取得の道筋を組み直せる可能性がある。
契約書面の全面義務化のほうは、小規模改修や部分工事の受発注で今まで口頭ベースだった案件にも書面が入るということ。ここは地味に効く。協力会社との契約整理が進めば、後々BIMモデルと契約範囲の紐付けもやりやすくなる。
令和8年度 学科試験と採点サービスの高速化
総合資格学院の即日採点サービス告知を見ると、試験当日の夜には自己採点結果が配信される。翌9時までに使えば500円分の電子チケットまで付く。受験生からすれば、モヤモヤした一晩を過ごさずに済む。
通信講座の比較記事(2026年最新 一級建築士通信講座のおすすめランキング)でも11社が並ぶ状況で、学習のオンライン化はもう普通のこと。うちの部でも通信で合格した先輩が何人かいる。
田中道子さんの合格報道
俳優の田中道子さんが1級建築士に合格したという話題も流れていた(AERAの記事、それにはてなブログの記事)。芸能人の資格取得ニュースは軽く扱われがちだけど、一般の人に「一級建築士って何をする人か」を伝える入り口になる意味は大きいと思ってる。うちの会社の広報も、こういう話題に乗って社内の女性技術者インタビューを流していたりする。
ゼネコンBIM担当としての独自考察
受験要件緩和とBIM人材の育成をどう繋げるか
正直に言うと、うちの部署で困っているのは「BIMは触れるけど建築士は持っていない若手」と「建築士は持っているけどBIMが苦手なベテラン」の分断だ。受験要件が緩和されるなら、BIM推進部にいる若手にも計画的に受験させる制度を組みたい。実務経験の対象が広がれば、モデリング業務や施工計画のBIM検討も申請材料に組み込めるかもしれない。ここは社労関係の先輩と読み込みを進める必要がある。
契約書面義務化と一貫BIMの相性
契約書面が全案件で義務になると、設計・監理の役割分担が文書で明確になる。うちが進めている一貫BIMだと、設計モデルを施工モデルに引き継ぐときの責任範囲がいつも揉める。「このモデルの精度LODは誰が担保するのか」を口頭で流していた部分に、契約書という後ろ盾ができる。BIM実行計画書(BEP)を契約書に紐付けるフローを、この改正のタイミングで社内標準に組み込めないかと考えてる。
導入ハードル
ただ、現場の温度感で言うと、法改正の話は「また書類が増えるのか」で終わりがち。協力会社の一人親方クラスまで書面契約が浸透するには時間がかかるだろうし、BIMと契約を紐付ける仕組みを作っても、運用する人がいなければ止まる。まずは一つの支店で試して、書式と運用フローをセットで作るところからだと思ってる。
総括
今週は、法改正・試験・有名人合格という三つの切り口で建築士の話題が動いた。個人的に一番反応したのは契約書面義務化で、これはBIM側の運用設計に直接効く。試験直後の後輩には「学科は忘れて製図に集中しろ」と伝えた。自分も来年、二次試験に挑む予定でいる。書きながら、そろそろ製図板を出しておこうと思った。