2026.09.063DGS

3DGSは現場に降りてきたか?今週の動向とゼネコンBIM担当のリアルな検討メモ

3DGSArchicadAutodeskBIMRevit建築DX週間まとめ

先週、現場担当から「既存倉庫の改修見積もりで内観を発注者に見せたいんだけど、点群だと重すぎて動かない」と相談を受けました。手元のノートPCで開こうとしてフリーズしたやつです。ちょうど3DGS(3Dガウシアンスプラッティング)関連の記事が今週まとまって出ていたので、業務に引き寄せて読み解いてみます。

今週の3DGS関連トピック

ブラウザで大容量スプラットを扱う「ストリーミング形式」

Threedive AIの開発チームが、JSライブラリ「Spark」v2.0で対応したストリーミング形式(rad)への変換方法を紹介しています(大きな3DGSファイルも快適に表示!3DGSファイルをストリーミング再生用の形式(rad)に変換する方法)。公式が公開しているサンフランシスコ市街のデモは、たしかにブラウザ上でぬるぬる動きます。

これまで3DGSは「軽い・きれい」と言われつつ、都市規模になるとファイルサイズが数GB級になり、結局現場のPCでは開けないという話をよく聞きました。ストリーミング配信で分割ロードが効くなら、発注者への共有時のハードルが一段下がります。

アクションカメラ側の対応:Insta360 X6

Insta360 X6が360度撮影データからそのまま3DGSモデル化する「空間キャプチャー機能」を積んで発売されました(アクションカメラ「Insta360 X6」発売 360度撮影を3DGSでモデル化できる空間キャプチャー機能搭載)。8K50fps、10-bitカラー、I-Logモード対応。撮影機材とモデル化パイプラインが1つに寄ってきたのは大きい話です。

現場代理人が朝の巡回でヘルメットに付けて回るだけで、その日の出来形が3DGSで残る、という運用が現実味を帯びてきました。

LiDARの精度は1,000倍違うという指摘

IZUTSUYAの記事は3DGSそのものではなく、点群取得側の話です(同じ「LiDAR」なのに精度が1,000倍違う ― インフラ分野で機材を選ぶときに最初に確認すべきこと)。同じ「LiDAR」でも用途によって精度が桁で違うので、まず何mmの誤差を許容する仕事かを決めるべき、という主張。3DGSの見た目に引きずられて元データの精度議論が抜けがちなので、耳が痛い指摘でした。

ワークステーションの選択肢が広がる

Lenovo ThinkStation P5 Gen 2にRTX 5070 Ti搭載モデルが加わりました(「GeForce RTX 5070 Ti」搭載、最大48コアに対応するLenovo製ワークステーション)。3DGSの学習・生成はGPUメモリを食うので、支店に1台置いておく現実的な選択肢になりそうです。

ゼネコンBIM担当としての独自考察

3DGSは「発注者向けの見せる資料」と「施工中の記録」の2用途で刺さると思ってます。前者はストリーミング配信で今週かなり現実的になりました。改修案件の初期打合せで、既存建物の内観を3DGSでブラウザ共有できれば、Revitモデル作成前の段階でも合意形成の材料になります。

問題は後者です。うちで一貫BIMを進めるうえで、3DGSは「見た目データ」であって、そのままでは数量も納まりも拾えません。積算部門に3DGSを渡しても「で、これから何m³出るの?」で終わります。結局、点群→BIMモデル化のワークフローに3DGSを重ねる形になると思うのですが、そこで効いてくるのがIZUTSUYAの指摘した精度の話です。見た目が美しいので発注者は納得しやすい。ただし出来形管理や取合い確認に使うなら、元のLiDAR精度が要求水準を満たしているか、という前段の議論を飛ばせない。

社内標準化の観点だと、当面は「3DGSは合意形成用の共有レイヤー、寸法根拠は従来の点群とBIMモデル」と役割を明確に分けたテンプレを作るのが落としどころかなと考えています。協力会社に配布するときも、この線引きがないと「3DGSから採寸しました」という事故が起きそうで怖い。

導入ハードルとしては、生成側のGPU環境と、撮影を誰がやるかの体制設計です。Insta360 X6のような機材は現場に落としやすいけれど、撮影ルート・重なり・照度の標準を作らないと、支店ごとに品質がばらけます。ここは自分で1棟試して手順書に落とすところから始めるつもりです。

総括

今週は「配信」「撮影」「計算基盤」がそれぞれ一歩進んだ週でした。3DGSが業務に馴染むかどうかは、技術の派手さより、既存の点群運用や積算フローとの接続点をどう設計するかにかかっていると感じてます。まずは冒頭の倉庫改修案件で、発注者提示用にストリーミング版の3DGSを試してみます。うまくいったら手順を持って支店BIM会議に持ち込むつもりです。

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