2026.06.03Archicad

【今週のIFC動向】BIM図面審査始動と設備メーカーのIFC公開 ― 一貫BIMはどこまで現実に近づいたか

ArchicadAutodeskBIMIFCRevit建築DX週間まとめ

はじめに:2026年、IFCが「実務の言葉」になりつつある

BIM推進担当として日々社内を駆け回っていると、ここ数ヶ月で「IFC」というキーワードが社内会議でも当たり前に出るようになったと実感します。かつては「BIMマネージャーだけが気にする中間ファイル形式」だったIFC(Industry Foundation Classes)が、いよいよ確認申請やメーカー提供データの標準として実務に組み込まれ始めました。今週公開された記事の中から、ゼネコンの現場感覚で押さえておきたい2本をピックアップして整理します。

今週のトピック

1. BIM図面審査がついに始動 ― 任意だが選択肢として無視できない

4月から本格稼働したBIM図面審査は、ゼネコンBIM担当として最も注視すべきトピックです。4月からついに始動した「BIM図面審査」 実務上のポイントと制度の意義を解説【緊急寄稿】によれば、現時点での重要ポイントは以下のとおりです。

「任意」とはいえ、審査機関側がIFCベースでの受付体制を整えつつあるという事実は重い。発注者から「次の案件はBIM審査で」と言われたとき、社内でフローを回せる状態にしておくかどうかは、競争力に直結します。

2. 設備メーカーがIFCで部品データを公開 ― 荏原製作所の動き

ポンプ・送風機をIFC形式で公開/荏原製作所は、設備系メーカーが自社製品のIFCネイティブ公開に踏み切った象徴的な動きです。これまではRevitファミリやDWGでの提供が中心でしたが、IFC形式での提供は次のメリットがあります。

メーカー側がIFCで出してくれるなら、社内ライブラリ整備の手間が大幅に減るのは大きい。

ゼネコンBIM担当としての独自考察

既存業務への応用可能性

BIM図面審査については、当面は「意匠中心の確認申請モデル」に限定して試行するのが現実解だと考えています。社内の一貫BIMは構造・設備までを統合する方向で進めていますが、確認申請段階では情報過多になりがち。LOD200程度の意匠モデル+属性で審査をパスできる運用パターンを早期に確立したいところです。

社内標準化への活かし方

荏原のようなメーカー提供IFCの活用は、社内ファミリ/オブジェクトライブラリの標準化に直接効きます。これまでは「Revit版」「Archicad版」と二重管理していたものを、IFCをマスターとして一元管理する運用に切り替えられる可能性がある。協力会社との連携でも、特定ソフトを強制せずIFCで受け渡せれば、サブコンの参加障壁が下がります。

現実的な導入ハードル

正直なところ、課題は山積みです。

「IFCで出せます」だけでは現場は回らない。IFCを軸にしたワークフロー設計こそ、BIM推進担当の腕の見せどころだと感じています。

総括

今週のニュースを並べてみると、IFCは「規格の議論」フェーズから「制度とサプライチェーンに組み込まれるフェーズ」に明確に移行したと感じます。BIM図面審査の任意運用開始と、設備メーカーのIFC公開は、奇しくも同じ方向を向いています。ゼネコンとしては、これを単なるトレンドで終わらせず、申請・設計・積算・施工・FMをつなぐ社内標準として落とし込むタイミング。来週以降も、受付機関の拡大とメーカー追従の動きを継続ウォッチしていきます。

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