はじめに ― なぜ今、改めてAutoCADを語るのか
BIM推進担当として日々Revitやその周辺ツールに触れている自分ですが、社内の図面業務、そして何より協力会社とのやり取りの現場では、依然としてAutoCAD(DWG)が事実上の共通言語として君臨しています。一貫BIMを標榜していても、施工図レベル・専門工事業者とのデータ授受になると、結局DWGに落とし込むケースが大半。今週のAutoCAD関連の記事・ニュースは、まさにそのDWG文化と新しい潮流の交差点を映し出しており、ゼネコンBIM担当として見過ごせない内容が並びました。本記事では3つの切り口で整理してみます。
トピック1:AutoCAD 2027の起動クラッシュ問題 ― 最新版導入のリアル
Autodeskから立て続けに公開された起動時クラッシュ関連のトラブルシュート情報は、ゼネコンの情シス・BIM担当として最も注視すべき話題です。
- AutoCAD 製品バージョン 2027 の起動時にクラッシュし、[エラー報告]ウィンドウが表示される
- AutoCAD 製品の起動時に「ソフトウェアの問題により AutoCAD が予期せず終了しました」と表示される
- AutoCAD Electrical の起動時に「プロジェクト データベース サービスと通信できません」と表示される
新バージョンのリリース直後にこうしたナレッジが集中するのは毎年の風物詩とも言えますが、数百ライセンスを扱うゼネコンでは一斉アップデートのタイミングを誤ると、現場が一気に止まります。特にElectricalの「プロジェクトデータベースに接続できない」系は、社内ネットワーク・権限設計と密接に絡むため、設備系BIM担当との情報共有が必須です。
トピック2:作図自動化への流れ ― 「手で描くのに疲れた」開発者の声
I got tired of hand-drawing every road, so I built a tool that does it for me は、10年間2D AutoCADで道路図を描き続けた現役オペレーターが、自ら自動作図ツールを開発した経緯を綴る記事です。「make-readyやユーティリティ図面の反復作業からの解放」という動機は、まさに我々の積算・仮設計画図の現場と地続き。
また、What If Engineering Graphics Had Its Own GitHub? では、「図面にもGitHubのようなバージョン管理・共有プラットフォームがあるべき」という提言がなされており、DWGの版管理・差分管理という長年の課題に切り込んでいます。
トピック3:基本コマンドの再注目 ― 「EXPLODE」「HATCH」
地味ながら、EXPLODEコマンドの40秒トリックや単一ハッチの選択問題のような基本コマンド系Tipsが継続的に読まれている事実は重要です。RevitからDWG出力した際に、ハッチが結合されて施工図担当が泣く、というのは社内でも頻発する話。さらに住宅2階建てのDWGプラン共有記事のように、テンプレートDWGがコンテンツとして流通している点も見逃せません。
ゼネコンBIM担当としての独自考察
既存業務への応用可能性
自動作図ツール開発のトレンドは、当社の仮設計画図・乗入構台・山留図といった「パターンは決まっているのに毎回手描き」の領域にこそ刺さります。Dynamoや社内製LISPでの自動化は既に進めていますが、現場経験者がコードを書く時代になれば、BIM推進部門が抱え込まず現場発の自動化が育つ可能性があります。