2026.08.03Archicad

【今週のT-fas動向】CADWe’ll Tfas 15リリースと施工現場改革 ― 一貫BIMを目指すゼネコン若手が読み解く

ArchicadAutodeskBIMRevitT-fas建築DX週間まとめ

はじめに:設備CADの雄「T-fas」に動きあり

BIM推進担当として日々感じているのが、建築本体と設備モデルの統合の難しさです。特に空調・衛生・電気の設備設計では、いまだにCADWe’ll Tfas(通称T-fas)がデファクトスタンダードとして根強く使われており、Revit中心の一貫BIMを目指す上でも避けて通れない存在です。今週はそのT-fasに関する大きな動きが2つありました。新バージョン「Tfas 15」のリリース発表と、施工現場のノンコア業務アウトソーシングに関する協業ニュースです。若手BIM担当の視点で整理してみます。

今週のT-fas関連トピック

1. 『CADWe’ll Tfas 15』が4月27日に提供開始

ダイテックから、建築設備CADの最新バージョンTfas 15のリリースが発表されました。今回のバージョンアップの目玉は次の3点です。

特に注目したいのはBox連携です。ゼネコン側は発注者や協力会社とのファイル共有基盤として既にBoxを採用しているケースが多く、設備CAD側から直接Boxにアクセスできるようになれば、図面のバージョン管理と情報共有のハードルが一気に下がる可能性があります。詳細は建築設備CAD『CADWe’ll Tfas 15』4月27日提供開始を参照してください。

2. 大成温調×パーソルテンプスタッフ ― 施工現場ノンコア業務のアウトソーシング

もう一つの重要ニュースは、大成温調とパーソルテンプスタッフの協業です。両社は2019年からT-fasを活用したCADオペレーター育成で連携してきましたが、今回は施工現場のノンコア業務支援と人材育成スキーム構築へと踏み込みました。

詳細は施工現場ノンコア業務のアウトソーシング推進、大成温調とパーソルテンプスタッフが協業で確認できます。

ゼネコンBIM担当としての独自考察

既存業務への応用可能性

Tfas 15のBox連携は、私たちのような元請ゼネコンにとって地味に大きな一歩です。設備サブコンから受け取ったT-fasデータを、これまではメールや個別FTPでやり取りしていましたが、Boxを介した一元管理に切り替えられれば、IFC書き出し→Navisworks統合モデルでの干渉チェックという一連のワークフローが、より確実かつ短サイクルで回せます。

社内標準化への活かし方

一貫BIMの標準化を進める上で悩ましいのは、「Revit一択に振り切るべきか、T-fasとの共存を前提にすべきか」という問題です。現実的には設備側の生産性・部品資産を考えるとT-fasを排除する選択肢はなく、「T-fasで作図 → IFC/DWGで連携 → 統合モデルで検証」という現実解を社内標準ワークフローとして明文化するのが最短ルートだと感じています。Tfas 15の登場は、この標準化ドキュメントを改訂する良いタイミングです。

現実的な導入ハードル

一方で懸念もあります。協力会社側のバージョン追従スピードです。ゼネコン側が最新版を導入しても、サブコンや設計事務所が旧バージョンのままだと、Box連携も部品拡充も活かしきれません。加えて、大成温調の事例のようにオペレーター人材の確保も同時並行で進めないと、ツールだけ最新化しても現場が回らないという事態になりかねません。ツール導入と人材育成をセットで設計する視点が不可欠です。

総括

今週のT-fas関連ニュースは、「ツールの進化(Tfas 15)」「人材・業務プロセスの再設計(アウトソーシング協業)」という両輪が同時に動いた週でした。BIM推進担当として押さえておくべきは、単にバージョンアップ情報を追うだけでなく、設備CADを取り巻くエコシステム全体が再構築されつつあるという視点です。一貫BIMの実現は、自社の中だけでは完結しません。T-fasという業界資産をどう社内標準に組み込むか、来週以降も動向を追っていきます。

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