2026.08.19Archicad

今週のIFCトレンド、と言いたいところだが「別のIFC」だらけだった件

ArchicadAutodeskBIMIFCRevit建築DX週間まとめ

正直、今週のニュース検索結果を眺めて苦笑いした。「IFC」で拾ってきた記事6本のうち、建築のIndustry Foundation Classes(IFC)を扱っているのは実質1本。あとは国際金融公社(International Finance Corporation)のニュースだ。同じ略語でここまで話題が割れるのも珍しい。せっかくなので、この状況込みで今週のトレンドを整理しておきたい。

今週の建築系IFC関連の動き

鉄筋BIMから加工機データまで、Revitアドインの登場

建築側で唯一まともに関係あったのがこれ。RitaXが「建設DX展+ 2026」で披露したRebar system 2026は、Revit上で3D鉄筋モデルを作り、数量計算・加工帳・加工機データまで一気通貫でつなぐアドインだ。

記事本文ではIFCという単語が直接強調されているわけではないが、鉄筋モデルをRevitで作り、下流工程(加工機や積算)に渡すという発想は、まさに一貫BIMで詰まりがちな部分。うちでも配筋の3Dモデル化はやってはいるものの、加工帳との整合を人力チェックしているのが実情で、この手のアドインが標準になれば工数はかなり違ってくると思ってる。

「もう一つのIFC」=国際金融公社の話題

エッジAIへの初投資

サイバートラストの参加レポート、世界銀行G・IFCがエッジAIに初投資は、金融側IFCが半導体・エッジAI領域に資金を入れ始めた話。建築とは無関係だが、「主権あるAI」というキーワードは、BIMデータの主権(誰がモデルを所有し、どこまで開示するか)にも通じるところがある。個人的な連想だけど。

インフラ・EC・都市開発への投資

ホーチミンの件は都市インフラ整備を含む話なので、将来的にBIM/IFC(こちらは建築側)を採用する案件が出てくる可能性はある。海外案件を持つゼネコンなら、この二つのIFCが同じプロジェクト内で交錯する場面もあり得るはず。

ゼネコンBIM担当としての独自考察

Rebar systemの話を、自分の業務に引き寄せて考えてみる。うちの現場で一番厄介なのが、設計部が作ったRevitの構造モデルと、鉄筋工事の協力会社が使っている加工帳ソフトの間の断絶だ。設計側は「配筋の意図」を、協力会社は「加工と結束の都合」を優先するので、同じ鉄筋でもデータ構造が違う。結局、施工図担当が手で拾い直して協力会社に渡している。

ここにアドイン一つで加工機データまで出せるとなれば、施工図フェーズの手戻りは減る。ただし、現実的なハードルもある。加工機の対応フォーマットが工場ごとにバラバラで、地方の鉄筋工場だと未対応のところも多い。うちで実際に試すなら、まず特定の協力工場と組んでパイロット案件を回すところからだろう。全社標準にする前段階として、モデル入力ルール(かぶり厚、定着長さの表現方法など)を先に固めないと、アドインを入れても出力がバラつく。この「入力ルールの標準化」が地味に一番重い作業だと感じてる。

もう一つ、IFC(建築側)の観点で言うと、Revitアドインで作った鉄筋モデルをIFC経由で他ソフトに渡せるかは記事だけでは読み取れない。ネイティブRevit運用が前提だと、発注者からIFC納品を求められた時に配筋情報が抜け落ちる不安がある。この辺は展示会レポートだけでは分からないので、機会があれば直接聞きにいきたい。

総括

今週の「IFC」ニュースは、建築のIFCと金融のIFCが混在する妙な週だった。実務に直結するのはRebar systemの話一本。ただ、鉄筋という「一貫BIMの最後の砦」に手が入り始めた意味は大きいと感じてる。来週は展示会レポートの続報が出るはずなので、IFCエクスポート対応の有無を追いかけたい。加工帳の突合作業から解放される日を、そろそろ本気で見たい。

← HOME