先週、社内で協力会社から届いたRevitモデルをNavisworksに統合していたら、書き出したNWCが一部欠落していて半日つぶれた。こういう地味なトラブルは毎週のように起きる。今週のNavisworks周辺のニュースを眺めていたら、まさにその「地味だけど痛い」領域の話がいくつか出ていたので、整理して共有します。
今週のトピック整理
Revit APIによる干渉判定は「やっぱり難しい」
Revit API での干渉判定アドイン作成の試みとその限界では、梁と配管の干渉チェックをRevit単体で完結させようとした試行錯誤が記録されています。SolidベースのIntersectソルバーを使う方針だったものの、要素形状の取得コスト、判定ロジックの粒度調整、ジオメトリの精度差といった壁にぶつかり、最終的には現実的でないという結論に至った、という内容。
読んでいて素直に「わかる」と思いました。うちでもRevit上で完結させたい欲があって何度か検討したが、結局Navisworksに寄せた方が早い。Clash Detectiveは枯れているし、干渉レポートの粒度も協力会社に説明しやすい。Revit API側の限界を早めに見切って、役割分担を割り切る話として参考になります。
Revit ServerとNavisworksの受け渡しを自動化する
Streamlining BIM Processes: Automating Model Retrieval from Revit Server and Navisworks Assemblyは、Revit ServerからモデルをNWCに書き出し、Navisworksのアセンブリに組み込むまでを自動化する話。BIM部門の日常業務でいちばん時間を吸われる「ファイル整えて配る」工程に手を入れる発想で、実務寄りの記事でした。
この「モデル準備の自動化」は、規模の大きい現場ほど効きます。設備・構造・意匠それぞれから週1回NWCが上がってくるとして、命名規則の確認と統合だけで半日かかることも珍しくない。ここが自動化できれば、統合会議の前日にバタバタしなくて済む。
RevitとNavisworksの棲み分けを再確認する記事
今週は入門系の解説も並んでいて、Navisworks vs Revit: What’s the Difference?とWhat is Navisworks? A Complete Guide for Beginners and Professionalsが公開されました。Revitは設計・モデリング、Navisworksは統合・干渉チェック・4Dシミュレーションという役割整理で、新人向けの資料として使える内容。
足元の不具合情報
AutodeskからはNavisworksが起動時にクラッシュする件と、Revitに外部ツールアイコンとNWC書き出しオプションが出ない件のサポート記事が流れていました。特に後者は現場で頻発するやつで、アドインの読み込み順やユーザープロファイルの権限周りが原因のことが多い。協力会社のPCで再発すると納品前に慌てるので、社内の手順書に対処法を書いておくと事故が減ります。
ゼネコンBIM担当としての独自考察
今週の記事群を通して感じたのは、Navisworksの価値は「統合ハブとしての枯れた安定感」にあるという点。Qiitaの記事のようにRevit APIで干渉判定を内製する道は魅力的だけど、うちの規模で協力会社にAPIまで習熟してもらうのは非現実的です。それより、Navisworksへの集約フローを固めた方が、社内標準化として効きます。
具体的に社内で進めたいのは3点あります。まず、Revit → NWCの書き出しルールをテンプレート化して、ビュー名や座標系のズレを事前に潰しておくこと。次に、Medium記事にあったようなRevit ServerからのNWC自動書き出しを、うちのDynamoやPowerShell運用に載せられないか検証すること。最後に、Clash Detectiveのルールセットを工種別に定義して、干渉レポートの粒度を統一すること。ここが揃わないと、施工管理や積算部門に「この干渉って本当に手戻り必要なの?」と毎回聞かれる。
導入ハードルとして地味に効くのが、協力会社のライセンス問題です。NavisworksのManageは全社に配れる価格ではないので、Freedomで見られる形に落とし込むワークフローを別途整えないと、統合モデルが宝の持ち腐れになる。まだ試せていないが、CDE(BIM 360やACC)側のIssue管理と組み合わせれば、Freedomユーザーにも干渉指摘を届けられそうな気がしています。
まとめ
今週は派手な新機能の話は無かったものの、「Navisworksを軸にした運用をどう固めるか」というテーマが揃った週でした。Revitで無理をせず、Navisworksに任せるところは任せる。その割り切りこそが、一貫BIMを名乗るための地味な下ごしらえだと思ってます。来週は社内のNWC書き出しテンプレを一本化するところから手をつけます。