先週末、社内の設計部と積算部を交えたBIM推進会議で「Archicadの最新版、確認申請対応はどうなってる?」と聞かれた。まだ手元で検証できていなかったので、少し焦って情報を集め始めたのが今週のはじまり。ちょうどGraphisoft関連のニュースがまとまって出てきたので、若手BIM担当の目線で整理しておきます。
今週のGraphisoft関連ニュースまとめ
Archicad最新版と「BIM確認申請」時代
今週いちばん気になったのが、生成AIで設計BIMに革新! “BIM確認申請”時代の「Archicad」最新版を徹底解剖:Graphisoft IGNITE Japan 2025 の記事。生成AIを設計フェーズに組み込んだ最新版のArchicadが、BIMデータのまま確認申請へ流していく流れを前提に作られているらしい。実際、確認申請もBIMで ゼロからBIM導入の帝国不動産、5年で社内100%と自動積算を実現 にあるように、ゼロから始めた不動産会社が5年で社内100%運用と自動積算まで持っていった事例も出ている。BIM確認申請は「そのうち」ではなく、動いてる会社は動いている、というのが今週の空気感。
IGNITE Japan 2025とロードショー
年次イベントの Graphisoft IGNITE Japan 2025 はオンライン開催。加えて 全国ロードショー オンライン LiveStreaming と 8/5 オンライン開催!! グラフィソフト 全国ロードショー も告知されている。ここ数年、Graphisoftはユーザー事例中心の見せ方に振っていて、今回もその路線。地方の設計事務所や中小の設計部が拾いに行きやすい構成になっている。
小規模事務所の導入事例
株式会社髙尾設計一級建築士事務所 の事例も面白かった。Jw_cadから独立を機にArchicad Soloへ切り替えた話で、ゼネコン視点では規模感が違うけれど、「一人で回す前提の設計フロー」を組んでいる点は参考になる。テンプレートの作り込みで属人性を減らす発想は、うちの設計支援チームでも通じる話。
ゼネコンBIM担当としての独自考察
「BIM確認申請」というキーワードが今週これだけ出てくると、社内標準テンプレートの見直しを避けて通れないと感じてます。うちのArchicadテンプレは、意匠優先で分類コードや属性の粒度が甘い。確認申請でそのまま流すには、法規チェックに必要な属性(用途、耐火区画、開口部の防火性能あたり)をテンプレート段階で仕込んでおく必要がある。この作業、地味だけど半年がかりになりそうで、今から着手しないと間に合わない。
帝国不動産の「社内100%+自動積算」の話は、正直うらやましい。ただ、ゼネコンだと積算部が使っている既存の積算システムとの数量突合が必ず論点になる。Archicad側の数量表と積算部のRC躯体拾いが合わない、という揉め事を先月も現場で経験したばかり。自動積算まで持っていくには、部材の分類ルールを積算部と一緒に決めるのが先で、ソフトを入れる話ではないと思ってます。
生成AIの設計支援は、社内で使えるかというと、まだ半信半疑。プランのバリエーション出しには使えそうだけど、協力会社に投げる施工図レベルの精度が出るかは疑問。うちの現場だと、鉄骨ファブや設備サブコンとやり取りするIFCの品質のほうがボトルネックで、そこにAIが効くかはロードショーで実演を見て判断したい。
導入ハードルとして残るのは、やはりライセンスコストと教育。若手はすぐ覚えるけど、40代以上の職員に「Jw_cadからArchicadへ」を強要するのは無理がある。髙尾事務所のように独立や新プロジェクトを機に切り替えるパターンが現実的で、社内でも新規案件から順次差し替えていくやり方に落ち着きそう。
総括
今週のニュースを並べてみると、Graphisoftは「確認申請」「自動積算」「生成AI」という、これまで別々に語られていた話を一本の線でつなごうとしている。うちの社内ではまだバラバラに検討している段階で、正直、置いていかれている感覚がある。まずは8月のロードショーを設計部・積算部の同僚と一緒に視聴して、テンプレート改訂の議題を9月の推進会議に載せる。ここから動かないと来年の申請案件で困る、というのが今週の実感です。