2026.08.26Archicad

今週のIFC関連ニュースを、ゼネコンBIM担当の目線で読み解いてみた

ArchicadAutodeskBIMIFCRevit建築DX週間まとめ

先週、社内の設計部から「協力会社に渡すモデル、Revitのままでいいの?それともIFC?」と聞かれました。この手の質問がここ半年で明らかに増えてます。一貫BIMを標準化しようとすると、必ずIFC(Industry Foundation Classes)の話に行き着く。今週流れてきた「IFC」関連のニュースを眺めていたら、建築分野のIFCに関する話題はほぼゼロで、金融のIFC(国際金融公社)やソウルの商業施設IFCモールの話ばかりでした。この落差自体が、今の日本のBIM界隈におけるIFCの立ち位置を映してる気がして、逆に書きたくなったので整理します。

今週の「IFC」ニュース、実は建築じゃない話ばかり

金融のIFC(国際金融公社)関連が目立った週

米AI半導体スタートアップのクアドリックが、世界銀行系の国際金融公社(IFC)から出資を受けた件が日経で報じられました(半導体新興の米クアドリックCEO「エッジAI、2〜3年で大きく成長」 – 日本経済新聞)。新興国へのAI半導体の展開が狙いだそうです。あわせて世界銀行グループの日本人職員採用の告知も流れています(世界銀行グループ日本人職員採用「2026年リクルートミッション」第2弾)。

ソウルのIFCモール(汝矣島)関連

汝矣島エリアのホテル・観光ガイドが2本(汝矣島(ヨイド)はどの駅に泊まる?汝矣島の歩き方|駅・63ビル・花火・宿泊エリアを整理)。ソウルのIFCモールは超高層複合施設として建築的にも見どころのある建物ですが、記事自体は宿泊エリア紹介です。

その他

映画スタジオIFC Filmsの新作紹介(Jake Johnson, Cory Michael Smith & Joe Swanberg On New Film “The Sun Never Sets”)や、クーポン手数料改定の話題(#687 6/1からのクーポン手数料改定についての見解 Ifc)もありました。建築のIFCとは無関係です。

建築のIFCの話が出てこない、という事実そのもの

正直に言うと、今週は建築データ交換規格としてのIFCの新しいニュースをキャッチできませんでした。ゼロです。バージョン更新やbuildingSMARTの動きも、少なくとも一般ニュースRSSには乗ってこない。裏を返せば、建築のIFCは業界内の閉じたコミュニティで議論されていて、一般の情報流通からは切れてる。BIM推進担当としてこれは結構重い事実だと感じてます。社内で「IFCで納品してください」と協力会社に言っても、名前だけ聞くと金融の話かモールの話かと勘違いされる温度感、まだあります。

ゼネコンBIM担当としての独自考察

既存業務にIFCをどう組み込むか

うちの現場では、設計はRevit、構造はTekla、設備はRebroが混在してます。統合モデルを作るときIFCで吐いて Navisworks や BIM 360 に載せる、というのが今の運用です。ただしIFCで吐くとパラメータが落ちる、属性名が変わる、部材の分類が意図と違う、といった細かい不具合が毎回出ます。積算連携をやろうとすると、この「属性の落ち方」が致命傷になる。数量拾いのために結局Revit側でもう一度モデルを触る、みたいな二度手間が起きてます。

社内標準化への活かし方

標準化の観点だと、IFCで何を渡すか(MVD、モデルビュー定義)を発注区分ごとに決めるのが現実解だと思ってます。全部入りのIFC4を求めても協力会社の対応が追いつかない。躯体は最低限これ、設備はこれ、といった粒度で社内テンプレートを分けるほうが機能するはず。ただ、これを本気でやるには社内の設計・積算・施工の三部署を巻き込む必要があって、私一人では正直きつい。上長を説得する材料として、今回のクアドリックのニュースみたいに「海外では標準規格を軸に投資が回っている」という文脈を借りるのは、案外効くかもしれないと思ってます。

現実的な導入ハードル

一番の壁は協力会社側のツール事情です。図面文化がまだ強くて、IFCを開けるビューアすら入ってない事務所もあります。ここに対して「まずIFCビューア入れてください」から始めるのか、それとも当面はPDFとIFCの二本立てで運用するのか、まだ答えが出てません。個人的には後者で慣らしていくのが現実的かなと。

総括

今週のIFC関連ニュースは、建築のIFCではない話題ばかりでした。それでも、金融・観光・映画と幅広いドメインで「IFC」という3文字が使われている状況を見ると、建築データ規格としてのIFCの認知はまだこれからだと感じます。来週は buildingSMART Japan あたりの動きを自分で追いに行きます。社内では、まず設備の協力会社1社と、IFC受け渡しのテストを一件回してみるつもりです。

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