2026.09.21Archicad

積算BIMの現在地──セミナー情報と施工データ課題から考える、うちの現場での使いどころ

ArchicadAutodeskBIMRevit建築DX積算BIM週間まとめ

先週、社内で鉄骨数量の突合作業をやっていて、モデルから拾った数量と積算部が手拾いした数量が3%ずれた。原因は開口補強の扱いで、モデル側が部材として持っていない箇所を積算側が拾っていた、というオチだった。こういう「拾い方の前提が違うから合わない」問題は、積算BIMの話題が出るたびに頭をよぎる。今週は積算BIM関連で気になるニュースがいくつか出ていたので、若手BIM担当の目線で整理しておく。

今週の積算BIM関連トピック

HELIOSとCOST-CLIPの連携セミナー

コンピュータシステム研究所が、積算業務の効率化とBIM活用セミナーを開催するという告知。HELIOS(設計)・COST-CLIP(積算)・HELIOS-Link(連携)を組み合わせ、モデルから数量・コストへつなぐという趣旨。テレビ東京系の告知に載っていた。

個別ツールのラインナップ自体は目新しくないが、意匠設計から数量集計・見積までを同じベンダーの製品群で一気通貫にする、という売り方が最近増えてきた印象がある。うちのようにRevit中心で回している現場だと、そのまま採用は難しいが、「モデル属性と積算コード(内訳書分類)をどう紐付けるか」という設計思想は参考になる。

3D設計を施工段階で活用──納品データの課題

建通新聞の「3D設計を施工段階で活用 納品データの内容に課題も」という記事。設計側から渡されるBIMデータが施工・積算でそのまま使えないケースがまだ多い、という趣旨だった。

これは現場で本当によく感じる。設計モデルの壁が「1層で1オブジェクト」になっていて、床仕上ごとに数量を分解できない。梁のふかしがモデル化されていない。設備との干渉部分がジェネリックモデルで入っている。こういう「見た目は成立しているが、拾いに使えない」データが渡ってくると、結局積算側でモデルを作り直すことになる。BIMが二度手間の原因になってしまう典型パターン。

ゼネコンBIM担当としての考察

積算BIMは「モデルの精度」より「属性の設計」で決まる

連携ツールを入れれば数量が自動で出る、という話ではない。冒頭に書いた開口補強の件も、モデルの幾何形状の問題ではなく、「補強を独立部材として持つか、母材の属性として持つか」という属性設計のルールが決まっていなかったことが原因だった。

うちの社内標準テンプレでも、部材分類コードと積算内訳書の科目対応表を今年度中に整備しようとしているが、意匠・構造・設備で命名ルールがバラバラで、まず用語統一の会議から始まる状況。積算BIMを本気でやるなら、モデリングガイドラインに「積算で使う属性」を明記して、設計段階から入れてもらうしかないと感じてる。

協力会社との連携という現実

もう一つの壁が、鉄骨・RC・仕上といった専門工事会社との数量やり取り。彼らは自社の積算ソフトや拾い方を持っていて、こちらのBIMモデルをそのまま受け入れてくれるわけではない。IFC経由で数量表を渡しても「うちの拾い方と違う」で終わることが多い。

ここは正直、ツール導入だけでは解決しない領域だと思ってる。相互に「どこまでを共通言語にするか」の合意形成が要る。HELIOSのような統合パッケージが強いのは、発注者と施工者が同じ製品を使えば齟齬が減る点で、部分的には合理的なアプローチかもしれない。ただマルチベンダーで回すゼネコンとしては、IFCの属性マッピングをどこまで詰められるかが勝負になる。

導入ハードルの現実解

いきなり全工種で積算BIMをやろうとすると必ず頓挫する。うちでは今、躯体コンクリート数量に絞って、モデル拾いと従来拾いの並走を試している。差異が5%以内に収まる案件が3件続いたら、次は型枠に広げる、という進め方。地味だが、この積み重ねしか信用は作れないと感じている。

まとめ

積算BIMのニュースを見ると華やかな連携図が並ぶが、実態は属性設計と用語統一の泥仕事。設計から施工、積算、専門工事まで同じ言葉で数量を語れるようになったとき、初めて自動化の話が現実になる。まずは来週、意匠担当と開口補強の持ち方について話し合うところから始めます。

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