2026.09.28Archicad

今週のBIM動向まとめ:朝日工業社のワークフロー確立、ISO 19650認定支援、BIM/CIM認知度の現在地

ArchicadAutodeskBIMRevit建築DX週間まとめ

火曜の夜、協力会社から届いた設備モデルを開いたら、レベル設定が社内標準と違っていて数量拾いが合わない。結局、朝までかけて手作業で修正した。こういう地味な作業が続くと、「一貫BIM」という言葉の重さを改めて感じます。今週はゼネコンBIM担当として気になったニュースを3本ピックアップして、うちの現場感覚と照らし合わせながら整理しました。

今週のトピック

朝日工業社の「ASAHIワークフロー」——設計施工から保守までのデータ連携

創業100周年の設備工事大手・朝日工業社が、BIMを起点にした業務フロー「ASAHIワークフロー」を打ち出したという記事。設備工事事業と機器製造販売事業の二本柱で、設計・施工から保守までデータを一気通貫でつなぐ構想です(設備工事事業×機器製造販売事業の二刀流で挑む「設計施工〜保守までのデータ一気通貫」)。

設備側からこの動きが出てきたのは、ゼネコン側から見ると素直にありがたい。躯体BIMと設備BIMの統合は、いまだに納まり調整の最大のボトルネックで、竣工後の保守データまで含めた設計をサプライヤー側が持ってくれると、我々は施工段階の統合に集中できます。

応用技術がヒラテ技研のISO 19650認定取得を支援

応用技術がヒラテ技研 一級建築士事務所のBIM定着と、ISO 19650認定取得を支援した事例を公開しました(応用技術、ヒラテ技研 一級建築士事務所でのBIM定着とISO 19650認定取得を支援した導入事例を公開)。

ISO 19650は情報マネジメントの国際規格で、発注者・設計者・施工者の間で「誰が・いつ・どんな情報を・どの粒度で受け渡すか」を定義する枠組み。ゼネコン側でも徐々に発注者から要求されるケースが出てきており、設計事務所側でこの認定が広がると、我々の情報要求(EIR)への理解も進むはず。まだ社内では認定取得までは動けていませんが、標準テンプレートの整備で「ISO 19650準拠」を意識した名称ルールを先取りしておく価値はありそう。

BIM/CIM認知度は高水準、生成AIは9割に

日経クロステックの調査記事で、BIM/CIMの認知度は高水準を維持し、生成AIの認知は9割に達したとのこと(BIM/CIMの認知度は高水準維持、生成AIは9割に)。認知度が高いのは前提として、次の論点は「実務でどれだけ使い倒せているか」に移っている印象です。BIMモデルからの情報抽出やチェック業務に生成AIを組み込む流れが、来年あたり本格化する気がしてます。

ゼネコンBIM担当としての独自考察

3本を並べて見えてくるのは、「BIMをどう作るか」から「BIMで何をつなぐか」に主戦場が移ってきている、ということ。朝日工業社の事例が示すように、専門工事会社がデータ連携を前提に動き始めると、ゼネコンの中間統合役としての役割が問われます。うちの現場だと、いまだにIFCで受け取ったモデルをRevitに読み込み直して属性を手作業で補完している場面があって、この非効率は協力会社との事前ルール合意でかなり減らせるはず。

ISO 19650の話は、社内標準化の観点で示唆があります。うちも独自の命名規則やLOD運用ルールを整備してきましたが、国際規格に寄せておかないと、海外案件や外資系発注者の案件で二重管理になる。既存の社内標準を捨てるのではなく、対応表を作って「社内ルール ⇔ ISO 19650」の翻訳ができる状態にしておくのが現実的だと思ってます。

導入ハードルとして正直に感じているのは、標準化の議論が「テンプレート整備」で止まりがちなこと。テンプレートを配っても、現場ごとに運用がバラける。運用ルールの浸透には、テンプレート配布と同じくらい、モデルレビュー会のような泥臭い場が要ります。今期は物件横断のモデルレビューを月1で回したいと画策中。

まとめ

設備側からのデータ連携、設計事務所のISO 19650対応、生成AIの認知拡大。バラバラに見えて、いずれも「BIMを情報の受け渡し基盤にする」という同じ方向を向いてます。来月のBIM/CIM LIVEセミナー(社告・BIM/CIM LIVE/10月23日に第26回セミナー)も覗いてみるつもり。次の朝までかかる手作業を1つでも減らすため、来週は協力会社との命名規則すり合わせから着手します。

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