2026.09.29Archicad

今週のDynamo動向を追う ― 実は「別のDynamo」ばかりだった件と、それでも考えたこと

ArchicadAutodeskBIMDynamoRevit建築DX週間まとめ

月曜の朝、Dynamoのニュース検索結果を眺めていて手が止まりました。今週ヒットした9本のうち、AutodeskのDynamo(Revit用ビジュアルプログラミング)に関する記事は、実質1本だけ。あとはAWSのDynamoDB、AMDのGPU、サッカーのヒューストン・ダイナモ、シーメンスの産業用モーター。同じ単語でここまで散らばるのかと、少し笑ってしまいました。

とはいえ、拾える話は拾いたい。今週のDynamo周辺を、BIM担当の視点から整理します。

今週のトピック整理

Revit Dynamo関連:自動化と創造性の分離という論点

唯一BIM文脈で読めたのが、BIMBoss ConsultantsのAutomate the Repetitive. Elevate the Creative.です。本文は短く、「繰り返し作業は自動化して、創造的な仕事に時間を使え」というメッセージだけ。具体手順の記載はありません。

個人的には、この「繰り返し vs 創造」の二分法は、うちの業務にはあまりフィットしないと感じてます。Dynamoで自動化したい作業(シート作成、view設定、部屋名の一括流し込み)は繰り返しですが、その手前の「何を自動化すべきか」の判断はかなり創造的で、ここが一番時間を食う。ツール宣伝の文脈で語られがちな二項対立には、少し距離を置いています。

DynamoDB関連:命名衝突が生む情報ノイズ

今週の記事の多くはAWSのDynamoDB関連でした。

直接BIMとは関係ないですが、Common Data Environment(CDE)の裏側でNoSQLが動いているケースは増えていて、たとえばAutodesk Construction CloudのAPIから引いたデータをどう蓄えるかを考え始めると、キー設計や非正規化の話は他人事ではなくなります。

その他:シーメンスとGPUとサッカー

シーメンスのSiemensダイナモ:先駆的なロボット工学、AI、インダストリー4.0は産業用モーターの話、Radeon AI Pro R9700によるvLLM稼働手順はローカルLLM構築のGPU記事、ヒューストン・ダイナモ対スポルティング・カンザスシティは完全にサッカー。Revit Dynamoの検索性の悪さを改めて実感しました。

ゼネコンBIM担当としての独自考察

今週のニュースは薄かった、というのが率直な感想です。ただ、そこから逆に見えてきたこともあります。

ひとつは、Dynamoというツールが「情報として拾いにくい」段階に入っているという肌感覚。数年前はBIM系ブログでDynamoスクリプトの紹介が毎週のように出ていましたが、最近は減った気がしてます。理由は推測ですが、Pythonスクリプトや外部アドイン(pyRevitなど)に流れているのと、社内ノウハウ化して外に出さなくなったのが両方あるのかなと。

うちの現場でも、去年作った建具表自動生成のDynamoグラフは、いまだに現場ごとにコピペで少しずつ改変されて使われていて、標準化できているとは言い難い状態です。協力会社さんに渡すと「Dynamoって何ですか」で止まる。結局、成果物のExcelとRevitモデルだけを共有し、グラフは社内に閉じたままになる。この非対称性が、標準化の一番の壁だと感じています。

もうひとつ、DynamoDB側の記事から連想したのは、Dynamoで生成したデータを「どこに置くか」の議論が社内で圧倒的に足りていないこと。積算連携のためにパラメータを大量に持たせても、それをRevitモデル内だけに閉じ込めていたら、施工段階で使いにくい。CDEやデータベースに逃がす設計を、Dynamo導入と同時に考えるべきだったなと、いま反省しています。

総括

今週はDynamoの当たり年ではありませんでした。けれど、静かな週こそ、社内の運用を見直す時間に使える。来週は、部署内で塩漬けになっているグラフを棚卸しして、どれを社内標準候補にするか一覧化するところから始めます。派手な新機能を追うより、こっちが先。

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