2026.10.113DGS

3DGSが実務に寄ってきた一週間 ― KOLC+、SuperSplat 3.0、2DGS研究をBIM担当として読む

3DGSArchicadAutodeskBIMRevit建築DX週間まとめ

先週、協力会社から「現調で撮った360度動画、点群化せずにそのまま3Dで使えないか」と相談されました。従来ならSfMで点群化してモデリング、という流れを想定するところ、相手が念頭に置いていたのは3D Gaussian Splatting(3DGS)でした。現場側がこの単語を口にする頻度が、半年前と比べて明らかに増えています。今週は3DGS関連の記事が国内外で立て続けに出ていたので、BIM担当の視点で整理しておきます。

BIM・測量ワークフローへの直接統合が始まった

今週いちばん反応したのが、KOLC+の3DGS対応発表(PR TIMES)です。3DGSを「見るだけ」で止めず、BIM統合・土量計算・断面図化までメニューに入れてきた点が実務寄りで、土量と断面はそのまま出来高査定や施工計画に直結する項目なので、現調ビューアの延長から業務書類の母材へ格上げされる動きだと受け止めています。

エディタ側では、PlayCanvasがSuperSplat Editor 3.0を公開しました。WebGPU基盤で大規模シーンに対応し、低メモリ化も進んだとしています。1棟まるごとのスプラットをブラウザで発注者に見せる、という使い方の現実味が増しました。

撮影方法と生成パイプラインの検証ネタ

現場で詰まるのは、だいたい「撮り方」と「回し方」です。今週はそこを扱う記事が揃いました。撮影条件を振って品質を比較した動画の撮影方法による3DGSの品質の比較、全天球からの生成に挑んだ360度動画から3DGS生成に挑戦してみた、ColmapとInsta360での高速パイプラインをまとめたColmapと360カメラで始める簡単&高速 3D Gaussian Splatting、動画入力から3DGS生成まで一気通貫で回せるOSSを紹介したSpirula Studioを使ってみた記事の4本です。

特に360度動画は「撮影も生成も大変な割に成功確率が低い」と書かれていて、まさに自分の実感と同じでした。全天球をEquirectangularのままColmapに通す手順や、Spirula Studioのような一気通貫OSSが出てきたのは、社内手順書を書く側として助かります。属人化していた「撮れる人・撮れない人」の差を、ツールと手順で吸収できそうです。

2DGS系の研究 ― メッシュ化と反射への対処

研究寄りで押さえたのは3本です。2DGSの基本をQ&A形式で整理した2D Gaussian Splatting(2DGS)をQ&A形式で理解する、反射物体の再構成に基盤モデルとPBRを組み合わせたCVPR 2025論文の解説GS-2DGS、そして2Dガウシアンで画像を表現・圧縮するGaussianImageです。

BIM担当として気になるのは2DGSです。3DGSは見た目はきれいでもメッシュを抜くと表面がガタつく、というのは実際にRevitへ持ち込もうとしたときにぶつかった壁でした。2DGSはそこを狙った手法で、GS-2DGSはサッシや金属パネルといった反射面の再構成も扱っています。金属建材の多いゼネコン業務とは相性が良さそうです。

ゼネコンBIM担当としての考察

既存業務のどこに差し込むか

一貫BIMの流れで3DGSを無理にRevitの代替に据える必要はないと思っています。狙いどころは、既存建物の現調記録、施工中の出来形記録、発注者や近隣への説明用ビューアの3つです。KOLC+のように土量と断面が出せるなら、改修案件の既存把握から土工の数量根拠までを同じスプラットで通せる可能性があります。先週、積算担当に数量根拠として見せたとき、点群よりスプラットのほうが「建物として読める」ので説明が速い、というのが実感でした。

社内標準化で決めるべきこと

標準化側で詰めるべきは、撮影手順・保存形式・権利処理の3点だと考えています。撮影は今週の記事群がそのまま下敷きになります。保存形式はSuperSplatのような編集可能形式と、閲覧専用のWeb配信形式を分けて管理したい。権利処理は、発注者物件を撮って社内資産として残すときのルールが未整備で、ここは法務と早めに握る必要があります。

導入ハードル

現実的な壁は、精度の説明責任です。スプラットの見た目は説得力があるものの、どの寸法を信じていいのかという問いに現状うまく答えられません。トータルステーションや既存点群と同じ座標系に載せ、差分を数値で出す運用を挟まないと、施工管理の判断材料には使いにくい。協力会社に撮影を任せる場合も、カメラ設定と動線のテンプレを配らないと品質がばらけます。

総括

今週の動きを並べると、3DGSは研究(2DGS系)・ツール(SuperSplat、Spirula)・業務統合(KOLC+)の三方向から同時に実務へ寄ってきている状況です。来週は手元の360度動画をSpirula Studioに通して、同じ現場のRevit元データと重ねたときのズレを測ってみます。数字で語れるようになってから、所内で正式に提案します。

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